■選者:吉田豪 僕は「読みたい雑誌が全部出版社から送られてくるようになること」を目標に今の仕事を始めたところがある。それくらい、本当に雑誌が好きなんです。無職の頃、コンビニで雑誌棚を片っ端から読み漁って、店の人に追い出されたことがあるほどで(苦笑)。 雑誌って、紙とか電子とか、媒体の形式に関係なく、作り手の本気さが誌面から伝わってくるかどうかが大事だと思うんですよね。 たとえば『BUBKA』。ちょっと前まで、現場はみんな純粋なアイドルファンなのに、トップが「スキャンダルで押せ!」みたいな方針で、誌面から迷いが滲んでいた。でも、編集長がガチのアイドルオタに代わって、ほとばしる情熱が塊になって迫ってくるくらい、熱い誌面になった。ブレない感じが突出して素晴らしいなと。 そういう熱気って読者にも伝わるし、自分に興味のないジャンルの雑誌でも「よくわかんないけどスゲエ!」と響くもの。ライターの