ブックマーク / yoghurt.hatenadiary.com (6)

  • 映画「風立ちぬ」と、なかったことにされた人生 - 未来の蛮族

    風立ちぬ サウンドトラック アーティスト: 久石譲,読売日交響楽団出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ発売日: 2013/07/17メディア: CDこの商品を含むブログ (47件) を見る国民的作家、なんて大仰な呼び方が許されるのは、この国では村上春樹と宮崎駿くらいのものだろう。その国民的作家の、最後の作品(?)になった「風立ちぬ」を、9月9日の時点で788万人が観たらしい。 http://mantan-web.jp/2013/09/10/20130910dog00m200015000c.html それで、恥を偲んで告白すると、おれはこの映画をみて、けっこうひどい勘違いをしてしまっていたんだよね。 「風立ちぬ」が、堀越二郎の半生と、堀辰雄の小説をミックスしたものであることは知っていたけれど、それは当然、堀越二郎の人生に堀辰雄の小説と重なるものがあるからだと思っていたのだ。

    映画「風立ちぬ」と、なかったことにされた人生 - 未来の蛮族
  • 酒鬼薔薇聖斗 - 未来の蛮族

    それがどれだけ印象的な事件であっても、卑劣な犯罪を時代の象徴のように扱うのは慎むべきだ。ともすれば、おれたちはオウム真理教が起こした事件を、流行歌のように懐かしく思い返してしまう。青春時代の映画のように、世代的体験として消費してしまう。おれだってそうした楽しさを知らないわけじゃない。「ああいえば上祐」という言葉を聞くたびに胸に込み上げる、このノスタルジー! けれども、そうして、我々が思慮なく彼らの名前を呼ぶたびに、彼らの名前は永遠に近づいていく。ある意味では、我々は彼らの犯罪に加担してしまっているのかもしれない。罪深いことだ。殺した人間のことばかり考えて、殺された人間のことを忘れる。罪深いことだ。おれにはそれがどのくらい悪いことかを説明することができそうもない。何だかんだいっても、おれたちは人を殺してしまったわけじゃないし。それでも、彼らの人殺しに少しでも心を楽しませてしまったのなら。地獄

    酒鬼薔薇聖斗 - 未来の蛮族
  • せめて、もっと人殺しの顔をしろ - 未来の蛮族

    TVでは、芸能人が我々に呼びかけている。「デマに騙されないようにしよう」ずいぶんと難しいことを言ってくれる、とおれは思う。デマに騙されようと思って騙される人間はいない。みな、正しいことをするつもりで間違えるのだ。 芸能人たちはこんなことも言っていた。「被災者の気持ちになって考えよう」確かにこれは大事なことだ。けれど、難しい。とりわけおれのような人間にとっては。おれは頭が悪いから、福島の原発について、土地を奪われた人間の気持ちをほんとうには想像することはできない。ただ、自分に置き換えて考えてみることしかできない。 もしも、自分の住む街に原子力発電所があったらどうだろう? 自分の故郷が、放射性物質に汚染されてしまって、二度と帰ることできなくなってしまったらどうだろう? しかも、その原子力発電所は遠く離れた東京に電気を供給するための施設なのだ。なぜ、自分たちだけが、東京の犠牲にならなければならな

    せめて、もっと人殺しの顔をしろ - 未来の蛮族
  • 人生は、『はがねのつるぎ』を手に入れるまでがいちばん面白い - 未来の蛮族

    異論は認めない。だいたいなんだってそうなのだ。「おうじゃのつるぎ」だの「はかいのつるぎ」だのといったような、伝説級の武具。それらは確かに格好いいかもしれない。しかしだ。それらを手に入れたとき、我々の心はほんとうにときめいているだろうか? だいたい、そんな大層な武器を手に入れたところでだ、我々にはどこにも行くところがないじゃないか。もう地図はほとんど埋め尽くしてしまっているころだし、呪文だってもう「ギガディン」なんて名前の、あからさまに最強くさいものを覚えてしまっていたりする。強力な武器や魔法を手に入れたところで、それを用いて闘う相手などいやしない。せいぜい魔王か、さもなれけばとってつけたような隠しボスが、倦み疲れた我々を接待してくれるだけだ。 もはやそこに冒険はない。 あるのはただ、憂な義務感だけだ。 「はがねのつるぎ」には、そうした重たさはない。その切っ先が指し示す先には、ただただ限り

    人生は、『はがねのつるぎ』を手に入れるまでがいちばん面白い - 未来の蛮族
  • ぜんぶ、ストIIのせい - 未来の蛮族

    USSR!飛行機がザンギエフステージに向けて飛び立つ瞬間に鳴り響く、あのボイス。 USSR。幼かった僕は、それがソヴィエト連邦の略称であることさえ知らなかった。 僕の辞書はナポレオンもびっくりするほど白紙のページばかりで、不可能も可能も全く掲載されてはいなかった。これから書き込んでいかなければならないことが山ほど残されていた。そんな僕が知っていた、数少ない真実。 それは、ストリートファイターに登場するキャラクターは、みな最高だということだった。以前、SNKのキャラクターデザインのことを、口を極めて罵ってしまった僕だけれども、格闘ゲーム界のもう一方の雄であるCAPCOMの「ストリートファイターII」のキャラクターデザインについては、悔しいけれど・おまえに夢中と言わざるをえない。 ダルシム、ブランカ……ほんとうに、僕は彼らが大好きだったのだ。 *1 けれど、彼らのことを思うとき、少し後ろめたく

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  • 本を読むと不幸になる - 飲めヨーグルト

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