E-Bookの最大のアプリケーションとして期待される教育分野において、小中学校向け電子教科書推進の動きが出てきた。教育と医療は公的機関の関与する巨大な市場だけにエコシステムが複雑でとくにアプローチは難しくなるが、波及効果も大きく公共性は高い。中国は電子教科書を国策として推進しており、人材と産業、市場の国際競争力も関係してくるだろう。あらゆるレベルの問題を避けて通るわけにはいかない。そこでまず視点を確認しておきたい。 最大の市場の難しさ 小中学校向け電子教材の普及を推進する「デジタル教科書教材協議会」(DiTT)準備会が5月27日、開催された。普及に向けての課題整理、実証実験、普及啓発、政策提言等を行うとしており、7月27日に設立を予定している(設立趣意書参照)。教育系、通信系、メディア系、デバイス系の企業が参加しており、マイクロソフトやクアルコムなど外資系企業も参加していることから、いわゆ