ワンセグ機能付きカーナビの持ち主に、NHKとの受信契約を結ぶ義務があるかどうかが争われた訴訟で東京地裁は5月15日、義務ありとする判決を下した。NHKによると、カーナビの受信料について争われた訴訟は初めて。 放送法64条1項は「受信設備を設置した者」に契約を結ぶ義務があるとしている。今年3月には、テレビを持たず、ワンセグ携帯のみのユーザーについて、契約義務ありとした高裁判決4件が確定していた。 NHKの規約では、一般家庭については「世帯ごと」の徴収になるため、テレビなどで受信契約を結んでいれば、カーナビのワンセグについて追加で受信料を徴収されることはない。 しかし、事業所については、受信機の「設置場所ごと」としており、ワンセグ機能付きのカーナビが搭載されていれば、事業所が所有する自動車1台ずつからの徴収となる。 今回の判決を受けて、企業や官公庁が所有するテレビが見られるカーナビについて、受
警視庁中野署の警察官から、違法な取り調べ・身体拘束をされて、精神的な苦痛を受けたとして、東京都の工事業者の男性が4月26日、国家賠償法に基づき、東京都(小池百合子知事)に慰謝料など計330万円の支払いをもとめて、東京地裁に提訴した。 ●工具を所持していたことで連行された 原告は、給水管設備工事会社の代表をつとめる中野健太郎さん。 訴状によると、中野さんは今年2月4日夜、都内で発生した漏水事故の工事を終えたあと、立ち寄ったコンビニ前に作業車(ワゴン車)を停めて休憩していたところ、中野署の警察官が現れて、職務質問をもとめてきた。 中野さんが車の中を見せたところ、普段の工事で使用している工具(電工ナイフ、ガラスクラッシャー、マイナスドライバー)があったことから、「軽犯罪法違反で検挙する」として、中野署に連行されてしまった。 ●「これであんたも犯罪者の仲間入りだ」 取調室で、警察官は、中野さんにジ
ブログ「余命三年時事日記」を発端とした不当な懲戒請求をされたとして、嶋崎量弁護士が懲戒請求者らを訴えていた裁判の判決が4月11日、横浜地裁であった。石橋俊一裁判長は懲戒請求者6人に対し、請求満額となる各33万円の支払いを命じた。 嶋崎弁護士は「余命」読者らから、テンプレートを利用した958件の懲戒請求をされ、東京地検に刑事告発もされていた。嶋崎弁護士は、懲戒請求した全員の提訴を表明しており、判決は今回が初めて。 現在90人を相手に同様の訴訟が進行しているといい、今後も和解の申し出がない懲戒請求者の提訴を続けるという。 なお、この懲戒請求については、嶋崎弁護士が所属する神奈川県弁護士会の綱紀委員会で「懲戒すべきでないことが一見して明らか」と判断されている。 ●損害を個別に認める 判決は、今回の懲戒請求について「事実上及び法律上の根拠を欠く」と指摘し、「違法な懲戒請求」だと認定。刑事告発をとも
自身のウェブサイト上に他人のパソコンのCPUを使って仮想通貨をマイニングする「Coinhive(コインハイブ)」を保管したなどとして、不正指令電磁的記録保管の罪に問われたウェブデザイナーの男性(31)に無罪を言い渡した横浜地裁判決を不服とし、横浜地検が東京高裁に控訴したことがわかった。4月10日付。求刑は罰金10万円だった。 弁護人の平野敬弁護士が弁護士ドットコムニュースの取材に対し明らかにした。 平野弁護士は、「控訴趣意書が出ていないため、現時点ではどの点について反論しているのか不明だが、罰金10万円で控訴して東京高裁で争うということは、今後も控訴審において男性を拘束し続けるということ。罰金10万円という量刑の重さに比べて、人権侵害の度合いが見合っているのか」と控訴を疑問視した。 一方、「合同捜査本部を設置して、多くの当事者を巻き込んで捜査がなされている事件なので、上級審である東京高裁に
3月31日で閉店が決まっている都内のセブンイレブン店主が、2月末に本部から閉店1カ月前を通知された後、失踪していたことが分かった。 この店舗は、東京都内にあるセブンイレブン東日本橋1丁目店。2010年にオープンしたが、ドミナント戦略(特定地域への集中出店)などの影響により経営が悪化していた。 現在、同店を中心とした半径200m前後には、他のコンビニが6店舗あり、うち4つはセブンとなっている。 オーナーの齋藤敏雄さん(60)は自殺をほのめかしていたため、訪れていた北海道で警察に一時的に保護された。支援者の助けで3月28日、東京に戻り、今後の身の振り方について関係者と相談している。 ●他チェーンを追い出したら、別のセブンが入ってきた 妻の齋藤政代さん(52)によると、同店は2010年のオープン後、徐々に売り上げを伸ばし、近隣のファミリーマートやローソンが撤退。1日の売上(日販)が100万円前後
官報で公開された破産者情報(住所、氏名など)をGoogleマップで可視化した「破産者マップ」騒動。 各所から強い反発が起こり、運営者はツイッターで「結果的に多くの方にご迷惑をおかけしたことは大変申し訳ございませんでした」と謝罪し、サイトの閉鎖を発表した。 今回の「破産者マップ」は結局のところ、どのような法的な問題があったのだろうか。金田万作弁護士による詳細な解説をお届けしたい。 ●官報の転載、不法行為が認められた裁判例の一方、許容された裁判例も そもそも、官報にはどのような情報が掲載されているのか。 「官報とは、政府(内閣府)が出す、法律、政令、条約や公告等を掲載する印刷物で、法律、政令、条約等の公布を国民に広く知らせる役割があります。 発行日の官報は国立印刷局及び東京都官報販売所に掲示するほか、インターネットで配信したり、官報販売所で販売したりもしています。過去の分は図書館などで閲覧でき
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