中学3年生の夏のはじめ、入院をした。 初めて聞いた 特発性血小板減少性紫斑病と言う言葉。 自分の免疫が自分を攻撃してしまう 自己免疫疾患の一種らしい。 血が止まりにくい以外は体調も悪くない。 当然すぐに退院できるものと思っていた。 入ったのは個室だった。 毎晩、家族が晩ご飯を持って病室に来る。 全員で一緒に食べる。 毎晩じゃなくても良いのにと言いながら 特別な行事のようで楽しかった。 甘やかされたせいかかなり太った。 後に点滴薬の副作用の浮腫だと知った。 1ヶ月を過ぎた頃、学校は夏休みに入った。 級友が受験の話をし始め、焦りを感じた。 公立の高校を受験する場合 中学の出席日数や内申点は不可欠だった。 回診に来た主治医に聞いてみると、 退院はできないから 高校受験は諦めてもらうしかない。 と言う返答だった。がっかりした。 やっぱり間に合わないのか。 冗談めかしてもう少し早く退院できないか 聞