イビチャ・オシムと築いた「横」の関係 日本メディアと海外メディアの「差」 新刊「急いてはいけない」を上梓したオシム氏。訳者が語るその素顔 ■オシムに挑発されたこと 「質問の内容以上に、人としてオシムとどう対峙するか。人間対人間の言葉のやりとりでありコミュニケーションでもある。もちろん私は聞く立場、彼は答える立場にあるわけですが、決して上下関係ではない。対等な関係の人間同士のコミュニケーションを、彼のような人間とどうすれば築くことができるのか」 これまで十数年間にわたりイビチャ・オシム氏と対峙し続けた田村修一氏は、オシム氏との対話のなかで感じ続けてきた緊張感をそう語る。 田村氏は、9月に発売され話題を呼んでいるオシム氏の新刊『急いてはいけない』でも翻訳を担当した。阿部勇樹、中村憲剛、柏木陽介ら現役選手やジャーナリスト、一般の会社員などの質問をオシム氏が答える形ではじまる本書でも、その緊張感は