『虚数の情緒 中学生からの全方位独学法』 吉田武(東海大学出版会) ほとんどの人にとって、学力のピークは大学受験時であるらしい。私の場合、高校3年から美術大学受験予備校に通っていたので、人が一番勉強する時期にひたすらデッサンや色彩・立体構成に費やしていたといえる。そのせいか基礎教養に著しく欠ける。歳をとってから基礎教養の必要性を感じて、書店で求めたのが本書である。サブタイトルの「中学生からの全方位独学法」に惹かれたのはいうまでもない。書かれたのは京都大学工学博士の吉田武先生。総頁数1000頁、4300円。その厚さと値段だけでも驚きだが、本書をひらくとさらに数々の驚きが…。 まずは冒頭の執筆姿勢より抜粋 --------------------------------------------- 著者は、自作に関して、以下を最低の条件としている。 1.大部である:薄い本は他に山ほどある、「紙数