写真の魅力は、「一瞬を切り取ること」とよく言われるけれど、私はこのことに対して、最近、疑問を感じている。 自分本位に対象を切り取るという横暴に対して、もう少し慎重に考えなければならないのではないかと思っている。パパラッチは例外なのではなく、写真の強みである「一瞬を切り取ること」の上に胡座をかいた行為の延長にすぎないだろう。 写真は、もっとも簡単に対象を切り取りやすい表現行為だから、対象にしっかりと向き合う努力を放棄して、対象を、自分のエゴ、自己陶酔、自己主張のために安易に利用しがちであり、現実にそうなっていることが多い。 今日の多くの人々が、人生を大きく左右する運命的な出会いを待望するようなところがあるのは、「スクープ」など「決定的瞬間!!」だけで全てを評価していく傾向にある今日のメディアの影響だろうか。 写真の好き嫌いは、人それぞれである。自己陶酔的な傾向が強い人は、自己陶酔的な傾向の強