◆地域の情報拠点へ磨け 他の動物は持たず、人間だけが持っている物の一つが「本」だろう。本を書いたり、読んだり、「図書館」というところに集めたりする動物や植物はいない。だから図書館は、私たちが人間であることを再認識する場なのだ。 初めて米国に住んだとき、隣人は「最初に行くべきところは図書館よ」と明言した。街の中の全ての情報は、地域の図書館に存在するから、まずは、そこで情報を集めることを勧めたのである。 「図書館とは本を借りるところ」と思い込んでいた私には衝撃だった。確かにそこには全てが揃(そろ)っていた。図書館とは、情報データベースだったのだ。そして、そこはユニバーサルデザイン(UD)の世界だった。障害のある子どもや学生、若い人も高齢者も来ていた。拡大読書器や特殊なマウスなどの支援機器が完備され、そこで必要な情報にアクセスする方法を学ぶことも可能だった。 ◆ ◆ この夏、九州でも順次公開