モダンな父になつく 「聞き書き」シリーズの第2弾は「アンパンマン」などの作品で、子どもたちに夢を与え続ける漫画家、やなせたかしさん(88)。豊かな自然の中で過ごしたこども時代について話してもらった。 高知出身というイメージをお持ちの方が多いと思いますが、生まれは東京です。小さなうちに住んでいました。このころの記憶はあまりないんですが、父親にとてもかわいがってもらっていたようです。おみやげを買ってもらったり、いろんな所に連れて行ってもらったり。今も、日光の華厳の滝で撮った写真が残っています。そのせいで、母より父になついていたようです。 父は中国・上海の東亜同文書院を卒業して、東京朝日新聞の記者をしていました。国際都市・上海で学んだ父は、モダンボーイだったんですね。そのせいで、幼い僕もずいぶんしゃれた格好をさせられてました。周りはみんなゲタ履きで着物を着ている時代に、僕だけは半パンツにラシャの