以前ご紹介した本に「みんなの意見は案外正しい」がある。 この本は「集合知」について書かれたものであり、一定の条件下では「どんなに賢い人物であっても、集合体としての知恵にはかなわない」という趣旨の本だが、読みなおしてみたところ、その中に会議に関する面白い知見があったので紹介する。 作者が疑問を投げかけたのは、「衆知を結集するために会議をする」ことの有効性である。 結論から言えば、彼は「衆知を結集する道具として、従来の合意形成をするような会議は無駄である」という。 彼は、こう述べる。 私達は議論を通して合理性と中庸が生まれると考えているので、意見を交わせば交わすほど人々は極端に走りにくくなると思いがちだ。ところが30年におよぶ様々な実験や陪審の経験から得られた知見は、多くの場合全く逆の事態が生じることを示す” この現象は「集団極性化」と言われる現象であり、人々が集団の和を乱さないように行動した