政府は6月19日、経済財政改革の基本方針である「骨太の方針2007」を正式決定した。安倍政権として初めての骨太方針である。同方針には「『美しい国』へのシナリオ」という気恥ずかしい副題が付いているのだが、これには経済財政諮問会議の民間議員も違和感を覚えたようだ。公表された議事要旨によれば、大田弘子経済財政担当相がこの副題を提案すると、3人の民間議員のうち1人は「どうもぴんとこない」とコメントしたという。戸惑いの顔が目に浮かぶようで、このコメントは秀逸である。 わたしは何も、このコメントを通じて、副題自体のセンスをうんぬんしたいのではない。もっと本質的な問題として「骨太の方針2007」自体が、まさにぴんとこない出来栄えであり、それをこのコメントが的確に言い当てているような気がしたのである。 それでは、今回の骨太の方針のどこが、ぴんとこないのか。 今回の「骨太の方針2007」の問題点は、小