ご飯を炊くように、スイッチ一つでコメ粒からパンができる。こんな「あったらいいな」を実現した家庭用パン焼き機「GOPAN(ゴパン)」がお目見えし、品不足から予約受付を中止するほどの人気だ。開発した三洋電機の社員たちは、今春にパナソニックの完全子会社になることが決まる中、消えるブランドの意地を新商品にかけた。米粉製パン機の失敗 ゴパンの開発構想は、8年前にさかのぼる。平成15年、三洋電機はコメの粉からパンを作るホームベーカリーを他社に先駆けて発売したものの、売れ行きははかばかしくなかった。 理由ははっきりしていた。「コメ粉はスーパーなどで手軽に買えず、材料費も割高」。数多く寄せられた消費者の声は、不振の核心を突いていた。粉ではなくコメ粒からパンを直接作れたら、ヒットするに違いない。未知の領域への挑戦が、グループで調理家電部門を担う三洋電機コンシューマエレクトロニクス(鳥取市)で始まった。 取り