九份の細い路地には大勢の人が歩いているから、托鉢をするにはもってこいの場所なのだろう。これだけの人がいれば、中には托鉢しようと思う人もいるに違いない。混雑した路地の路傍にいた僧侶はそれを狙ってここで托鉢をしているのだと思った。僧侶は托鉢用の鉢と長い数珠を持って静かに立っていた。 そうこうしているちに、僧侶の思惑通りに若い女性がやって来た。そして、僧侶に施しを渡している。ここでも、日本と同じように食べ物ではなくて、お金を渡すようだ。ここにいる人のほとんどの人は僕と同じように観光に訪れているので、食べ物なんて携帯していないから自然とそうなるだけかもしれない。