列車が駅に停車していた。乗客たちは窓から顔を出して、プラットホームの様子を窺っている。ここの列車にはエアコンなんてものは取り付けられていないから、車内は結構暑いに違いない。 写真の男の子もプラットホームの様子を窺っていた。窓枠に腕を載せて、車窓から身を乗り出している。どうやら、お婆さんと一緒にどこかへ出かける最中のようだ。僕を見つけると、大きな瞳をキラキラさせながら微笑んでくれた。可愛らしい男の子だった。
それほど混雑していなかった僕が乗り込んでいたヤンゴン環状線の車内も、ダニンゴン駅に着いた途端にその状況は一変した。あれよあれよという間に大勢の買い出し客が乗り込んできて、車内は一転して混雑し始めたのだ。 この駅の近くに大きな市場があるようで(後で判明したのだけれど、ダニンゴン駅自体が市場になっている)、みな大きな荷を抱えていた。自分のお店で売りさばく食材を大量に仕入れたのだろう。座席は買い出し客で満席になり、床は野菜がはち切れんばかりになった袋で埋め尽くされた。文字通り足の踏み場も無い車内になったのだった。
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