京成立石の駅のプラットホームで電車が来るのを待っていた。でも、駅は静まり返っていて、電車がやって来る気配は感じられない。気怠い昼下がりだった。プラットホームにいる誰もが誰かとしゃべることもなく、じっと電車が来るのを待っていた。 反対側のプラットホームに視線を向けると、壁際にベンチが設けられているのが目に入った。帽子を被った女性がひとりで腰掛けていた。喉が渇いていたのだろう。ペットボトルから何かを飲んでいる。その様子を眺めていたら、気怠さよりも喉の渇きの方が僕の意識の中心を占めるようになっていた。
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