タイトルからして、直球勝負だなぁと思った。『福島第一原発観光地化計画』、すなわち「福島第一原発を観光地にしよう計画」。 表紙には宮崎駿のアニメーションに出てくる城のようなイラストが目に入る。帯には「原発観光地化 あり?なし?」との文字が躍る。直球だ。 手に取ると厚みがある。フルカラー192ページ。1,900円+税。この厚さでこのクオリティだと、ふつー3,000円↑ですよ。しかも株式会社ゲンロン(代表取締役 東浩紀)から出版しているので、赤字はゲンロンが被るんですよね。そんなところにも東浩紀の本気を感じた。 表見返しに「編集・研究会座長 東浩紀」とあり、続いて委員、オブザーバー、執筆・インタビューの名前が並ぶ。その数33名。本書のスタンスは明確で、思想地図β Vol.4-2として刊行された研究・思想書である。 本書は作家である東浩紀が自分の読者層を想定して、あらんかぎりのSF魂を総動員し、細