詩人のまど・みちおさんが「百歳日記」(NHK出版)を出している。国際アンデルセン賞作家賞を受けている詩人。まどさんは、百歳になったらなったで日記をつけた。 次の詩「トンチンカン夫婦」は91歳のときのもの。 トンチンカン夫婦 満91歳のボケじじいの私と 満84歳のボケばばあの女房とはこの頃 毎日競争でトンチンカンをやり合っている 私が片足に2枚かさねてはいたまま もう片足の靴下が見つからないと騒ぐと 彼女は米も入れてない炊飯器に スイッチを入れてごはんですようと私をよぶ おかげでさくばくたる老夫婦の暮らしに 笑いはたえずこれぞ天の恵みと 図にのって二人ははしゃぎ 明日はまたどんな珍しいトンチンカンを お恵みいただけるかと胸ふくらませている 厚かましくも天まで仰ぎ見て‥‥ 天真爛漫、天衣無縫、まど・みちおさんの百歳万歳! 年をとれば、失敗やら、できないことやら、いろんなトンチンカンもやらかす。