原油価格が高騰を続けていて、食料品の価格も方々で上昇している。他方、先週末アメリカで発表された失業率は対前月比でいきなり0.5ポイントも上昇する5.5%というショッキングなものだった。最近、インフレと不景気の同時進行を意味する「スタグフレーション」という言葉を、頻繁に聞くようになった。メディアの取材でも「スタグフレーションの可能性はありますか」という質問が増えた。スタグフレーションは起こるのだろうか。 結論を言うと、簡単に起こる。 たとえば、現在の原油価格上昇を出発点としよう。原油価格が上昇しても、原油の需要は急に減らすことができない。日本やアメリカのような原油の輸入国では、原油代金の支払いが増加する分だけ、国内の生産物に対する購入原資が減ってしまう。つまり、原油価格の上昇は、あたかも増税のように国内の需要を奪うのだ。ここで、「原油」を、もう少し一般的に「資源」に置き換えても、同じ原理が働