2012年は朝鮮半島を巡る情勢が急変することになりそうだ。韓国は大統領選を控え、与野党ともに左傾化傾向が強まっている。そして、北朝鮮は政権を握ったばかりの金正恩第1書記の下、ミサイルの発射に踏み切り、さらには核実験の実行までも懸念されている。米国や中国などの大国の論理に翻弄されてきたこの2国はこれからどう動くのか。日経ビジネスオンラインで「先読み 深読み 朝鮮半島」を連載中の、日本経済新聞編集委員、鈴置高史さんに聞いた。 池上:韓国では、総選挙がありました。なぜこの時期に、左派が伸びたのでしょうか。 鈴置:それはいい質問ですね(笑)。 池上:ああ、お株を奪われてしまいました(笑)。解説をお願いします。 鈴置:韓国では、なぜ、こんなに左派が強いのか――。今年4月の総選挙では中道保守の与党、セヌリ党が勝ったと報じられました。でも、事前の予想ほどには議席を減らさなかったということに過ぎません。議