要旨 理化学研究所(理研)生命システム研究センター合成生物研究グループの上田泰己グループディレクター、篠原雄太特別研究員、小山洋平研究員らの共同研究グループ※は、哺乳類の概日時計[1](体内時計)の周期長を決定しているリン酸化酵素の“基質との結合”および“生成物との結合”の二つの結合の強弱が温度によって変化し、高温でのリン酸化反応速度の上昇にブレーキをかけることが、概日時計の温度補償性[2]に重要であることを解明しました。 地球上の多くの生物種には、1日約24時間周期の概日リズム[1]が備わっています。概日時計の特徴の一つである温度補償性(周期長が温度に依存せず常に一定であること)は、ショウジョウバエの羽化リズムが温度に依存しないことに着目した研究により、1950年代に明らかになりました。しかし、温度補償性の詳しい分子機構は分かっておらず、大きな謎とされてきました。 今回、共同研究グループ