若年死亡率の低下に伴い,認知症を含む高齢者の数は増加しています.しかし,教育,栄養,ヘルスケア,ライフスタイルの変化などの改善により,多くの国で認知症の年齢別発症率は低下しています.そして9月は「世界アルツハイマー月間」,世界各地でいろいろな取組みが行われています.Lancet誌でも認知症の予防・介入・ケアに関する提言を行っています.2017年には認知症の9つの危険因子として「教育不足,高血圧,聴覚障害,喫煙,肥満,うつ病,運動不足,糖尿病,社会的接触の少なさ」をエビデンスとともに紹介していましたが,今回,危険因子をさらに3つ追加しました.それは「過度のアルコール消費,外傷性脳損傷,大気汚染」です.論文ではメタ解析とともに,認知症予防の12の危険因子に対する人生のステージごとの取り組みモデル(図)を提示しています.これらの危険因子の予防に取り組むと,世界の認知症の約40%は修正可能とのこと