Donato Di Camillo(ドナート・ディ・カミッロ)が「フォトグラファーになるまで」のストーリーは異色だ。学校に行かずアシスタントもせず、というよく聞く話ではない。写真の知識と技術は、3年間の服役中と、2年間の自宅軟禁中に一人で学んだ。 44歳でキャリアをスタートさせた彼が、レンズを向ける被写体もまた歪みを見せる。モデルやセレブには目もくれず、人生に苦悩を抱える社会のマイノリティにのみシャッターを切るからだ。 刑務所で独学。47歳前科ありの写真家 ドナートの写真には、一目で彼の作品と分かる明確なスタイルがある。大胆なフレーミングに、目の覚めるような色彩、 強めのコントラスト。それからファッションの作品ではお目にかかれない被写体と、その訴えかけるような表情。