『書店ガール』(PHP文芸文庫) 「リブロ池袋本店(東京)が西武百貨店池袋本店から撤退。跡地の候補はブックファーストか、三省堂書店か」 書店のビッグニュースで出版業界がざわつくなか、新たな書店のリストラ話が浮上した。京王グループの京王書籍販売が展開する啓文堂書店が、41店あった店舗を15店閉鎖して26店にまで縮小するうえ、20人の希望退職者を募集しているというのだ(2015年3月に青葉台店、稲城店、代田橋店を閉鎖し、現在は38店)。 啓文堂書店といわれても出版業界外の人、とくに関東以外の人にはなじみがないかもしれない。だが、2008年の八王子通り魔殺人事件の事件現場になった書店といえば、痛ましい話ではあるが、ご記憶の方も多いだろう。 その啓文堂書店の2014年度の売上が約90億円。前年度よりも8億円近く減収しているうえ、書籍販売業は赤字になっているという。その赤字を解消するために、不採算店