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ブックマーク / cruel.hatenablog.com (10)

  • エンゲルス「イギリスの労働階級」終わった! - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ちょっと気が向いて、若き日のエンゲルスのルポを訳しはじめたのが1年ほど前だったけど、ぼちぼちやってるうちに終わりました。 エンゲルス自身が若書きだと言っているので、若々しくしてみた。産業革命の成果にものすごく興奮しつつ、一方で労働者のひどい状況を実地に見て当に怒っているのがよくわかる、たいへんにおもしろい文章。エンゲルスは理論家としてはアレながらイデオローグとして優秀だったらしいけれど、ルポライターとしてもお見事、というのは訳し終わってもやはり思うね。 イギリスにおける労働階級の状態 (pdf 682kb) e-pub版はこちらできちんとしたものを作ってくれました〜 densabi.hatenablog.com 産業革命の成果に対する興奮は伝わってくるし、また当時のスラムの惨状は匂ってくるような迫真の描写。すごい。これを読んで「いまの日も同じだ、労働者は虐げられている!」といった感想を

    エンゲルス「イギリスの労働階級」終わった! - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    theta 2024/05/19
  • 焚書坑儒の続き:学者もその批判も昔から同じ。徐福も、無駄金づかい。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    以前、史記の焚書坑儒の話をした。 cruel.hatenablog.com ここでは、焚書坑儒の理由が封禅の儀式をめぐる話と関係があるんだろう、という説を紹介してそれの通りに書いた。でも、その後も史記をちまちま読んでいたんだが、なんか秦の始皇帝のところを読むと、普通に焚書坑儒の理由は書いてある (前回は、その封禅の儀式のところだけつまみいした)。きちんと部下からの進言があって、それをもとにやったのね。そしてそこの部分だけでも、封禅の儀式の話と主張はまったく同じだ。儒学者どもは、実用性のある役に立つ知識を持たず、何も結論を出せず、そのくせ批判だけは口うるさかった。 それよりもっと手厳しいかも。学者が訓詁学に堕している理由、それがかつてはオッケーだった理由も、そのえらい部下はきちんと分析し、進言している。時代とともに学問も進歩しなければいけない! 立派です。 その当該ヶ所を以下に引用。 始皇

    焚書坑儒の続き:学者もその批判も昔から同じ。徐福も、無駄金づかい。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    theta 2023/11/20
  • チェ・ゲバラ広島行きの謎、および三好徹『ゲバラ伝』 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    いま訳しているゲバラ、詳細なだけあって、とにかくおもしろいエピソード満載ではある。その一つが、1959年ゲバラの来日および広島訪問のエピソードだ。 簡単に背景を。1959年1月、世界の驚きをよそにキューバ革命が成功してハバナは制圧されてしまい、新政権が樹立した。カストロは、表向きは自分が共産主義者じゃないと言い張りつつ、軍と政権内の粛清とキューバ共産党 (=人民社会党) メンバーの浸透を着々と進める。 そんな中、カストロは今後のアメリカとの関係悪化を予想し、アメリカ以外への輸出市場拡大および外交関係の強化を狙って、特にバンドン会議の「非同盟国」(米ソどちらにも肩入れしない国々、エジプトやインド、セイロン、インドネシアなど) および新興工業国 (当時の日は、いまのような「先進国」などではなく、あくまで妙にがんばってる後進国もどきだった) である日やユーゴに使節団を送りだし、その親玉にチ

    チェ・ゲバラ広島行きの謎、および三好徹『ゲバラ伝』 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    theta 2023/08/07
  • 6/26 プリゴジンの乱に対するプーチン弁解の見方 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary 6/24プリゴジンの乱についてプーチンが6/26に出した玉音放送は、プーチンが今回の騒乱で何を気にしているかがうかがえる。ワグネルがほとんど何の抵抗もなしにモスクワの手前に到達できたし、また一部では歓迎すらされたというのを大変気にしている模様。同時に、自分たちがそれに対して無策でおたついていた (少なくともそう見られている) のも気にして、「いや最初から手は打った! 反撃がなかったのは流血を避けるため! 対応がないのは改心の時間を与えたため!」と弁解。 またワグネルグループも、首謀者プリゴジンはもちろん獄門打ち首、その手下たちもお咎めなしのように見せつつ、兵士になって過ちを償え=死ね、という話で、むごい。 6/26 プリゴジンの乱についての弁解の見方 ロシアの6/24プリゴジンの乱は、いろんな意味でわけがわからず、それだけにいろいろおもしろいところ。いろ

    6/26 プリゴジンの乱に対するプーチン弁解の見方 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    theta 2023/06/28
  • プーチン重要論説集 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    なんかこんなのを作ってしまったので、読みたい人は読みなさい。何かお気づきの点があればご教示たもれ……と思ったら商業出版の話が出たので、無料公開は停止。 なお、ウクライナ侵攻のときの演説が変だという検討については、第4期のまとめp.222- と、その対比で第3期のまとめp.153-をお読みください。 プーチン重要論説集 (星海社新書) 作者:ウラジミール・プーチン星海社Amazon 例によって、デスクトップ環境ではしおり/目次リンクがめちゃくちゃになるので。Adobeに上げてpdf化した。昨日よりは便利になったかな?

    プーチン重要論説集 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    theta 2023/04/10
  • ロシアの攻勢と新世界の到来 (2022/02/26): 侵略成功時のロシアの予定稿 全訳 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    訳者まえがき まちがって公開されたとおぼしき、ロシアウクライナ征服に成功していた場合のロシア国営通信 RIA予定稿の全訳。すぐに引っ込められたが、Wayback Machineにしっかり捕捉されていた。すごい代物。いくらでも言いたいことはあるが、読めば多くの人は同じことを考えるだろうし、ある100年近く前のドイツの人が書いた文章との類似も明らかだとは思う。 以下のツイート経由で存在を知った。ありがとうございます! 1 “The resolution of the Ukraine question.” A mistakenly published Russian article gives us a chilling insight into the neo-imperialist thinking in Russia that drives Putin’s decision to inv

    ロシアの攻勢と新世界の到来 (2022/02/26): 侵略成功時のロシアの予定稿 全訳 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    theta 2022/03/02
  • The Economist:「クソな仕事 (ブルシット・ジョブ)」はクソ理論 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary デヴィッド・グレーバーは、いまの資主義を批判するので人気があるが、最近の労働が実は無意味なものと化し、そこに従事している人びとが虚無と疎外感にとらわれているという『ブルシット・ジョブ』(2018) は、実際の人びとの労働意識を調べて見ると、まったく実態に即していない、ただの思いこみでしかない。それを述べたThe Economist記事を勝手に翻訳した。 デヴィッド・グレーバーは何やら一部の人にはえらく人気があって、お決まりのサヨク議論を何やらそれっぽい意匠で語ってみせるから、というのが普通の解釈だけれど、正直いってそれ以上のものだとは思わない。 で、彼のブルシット・ジョブ。ほとんどの人は読んでなくて、これが非正規のウーバー配達員とかそういう仕事のことだとおもっているんだけれど、実はちがう。オリンピック大臣の丸川珠代みたいな、何の技能もなく意味もないお飾

    The Economist:「クソな仕事 (ブルシット・ジョブ)」はクソ理論 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    theta 2021/08/02
  • クルーグマンのはずれた「未来予測」 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ちょうどリドレー『人とイノベーション』を読んでいるところで、なかなかおもしろい。 人類とイノベーション:世界は「自由」と「失敗」で進化する 作者:マット・リドレー発売日: 2021/03/05メディア: 単行 これについては、またきちんと書く機会もあるだろうけれど、ピンカー、ロンボルグ、ファクトフルネスの人、その他、自由と理性と進歩の可能性を重視する論者としてだんだん勢力を増しつつある一群の一人として、基的にぼくのものの見方とほぼいっしょではある。 さてそのリドレーがときどきネタに持ち出すのが、だれあろう、ポール・クルーグマン。インターネットなんか大したことないよ、という話を彼がしたのをしょっちゅう持ち出して、経済学者に先のことなんかわからない、と言われている。でも具体的に何を言っているんだろうと思って、例によってまた掘り出してきて訳してしまいました。 cruel.org うーん。ま

    クルーグマンのはずれた「未来予測」 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    theta 2021/04/01
    “ちょうどリドレー『人妻とイノベーション』を読んでいるところで、なかなかおもしろい。” 面白そうだ( ^ω^ )
  • 偉大なる首領スターリン閣下のありがたきインタビューでも読み給え。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    最近さまざまなメディアにおける人民諸君の発言を見るにつけ、であるな、多くの者が堕落し、あるべき革命精神を忘れ、軽視し、捨て去っているように見えるのだよ。特にへっぽこリベラルえせ知識人どもよ。そうした反革命分子どもにも、更正の機会を与えてやろうではないか。偉大なる首領、我らが指導者スターリン閣下のありがたきインタビューを読んで、あらためて社会における己の卑しき役割を再認識したまえ。 H・G・ウェルズによるスターリンのインタビュー、1934年7月 pdfが嫌な人は、この下に全文貼り付けてあるのでこのまま読み進めたまえ。 というわけで、H・G・ウェルズによるスターリンのインタビュー。大恐慌真っ最中の1934年にソ連を訪れたイギリスの大知識人たるウェルズは、もう資主義は終わりだ、社会主義の時代がすぐにやってくると、当時の (そして今の) 軽薄なリベラル知識人ぶりを全開にしてスターリンにインタビュ

    偉大なる首領スターリン閣下のありがたきインタビューでも読み給え。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    theta 2020/10/14
  • 内蒙経営策:満州帝国の二番煎じプロジェクト(実はちがう)の全貌 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    その昔、CUTにこんな文章を書いたことがある。 アゾット/亜素州をめぐる幻想と現実。 かのクラフト・エヴィング商会『クラウド・コレクター』の書評なんだけど、その枕に使ったのが、ぼくの曾爺さんかなんかのインチキプロジェクトの話しだった。 その曾爺さんの一世一代の大ばくちが、大日帝国の傀儡国家たる満州帝国の成功にあやかって、蒙古帝国ってのをでっちあげて搾取しようという一大計画だった。いろんなお膳立てまで整えて、関東軍とも話がついていたとかいないとか。どっからか傀儡用にフビライ汗の末裔ってのまで見つけだしてきて、擁立の準備は着々と進んでいたらしい。 さてもちろん、これを読んで真に受けた人は、まあいないだろう。そんな変なやつ&変な計画、あったわけないよねー、と。先日、小川哲『ゲームの王国』について、著者&大森望と座談会をしたときにも、この話をちょっと出して、おもしろがってもらえたんだけど、まあ聞

    内蒙経営策:満州帝国の二番煎じプロジェクト(実はちがう)の全貌 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    theta
    theta 2018/06/03
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