情報の正確性を担保するために、報道は実名報道が原則とされる。しかし、犯罪被害者の人権、風評被害の恐れ、プライバシーの権利との調整などを考慮し、人物に関する情報が匿名で報道されるケースも多い。また、犯罪報道では、被疑者が未成年である場合、少年法61条において、本人を特定できる情報を出版物に記載することが禁じられている。しかし、罰則がないために、被疑者が未成年の殺人事件がおきると、一部のメディアでは実名での報道が行われることもある。実名報道をどう考えればいいのか。ノンフィクションライターの藤井誠二氏に寄稿してもらった。 ------------------ 名古屋大学に通う19歳の女子学生が「人を殺してみたかった」という「動機」で、宗教の勧誘に来ていた老女を手斧で殴り、マフラーで絞殺、風呂場の洗い場に死体を放置したまま宮城県の実家に帰省していた事件が発覚した。女子大学生は、ツイッターに「ついに