「M-1グランプリ」とは基本的に、その日の漫才の出来だけで勝負が決まる短期決戦の舞台である。だがそれと同時に、長い目で見て、1年間でどれだけ漫才師として成長することができたかが問われている、という側面もある。 例えば、今回上位に輝いたNON STYLE、オードリー、ナイツの3組はいずれも、昨年のM-1準決勝や敗者復活戦でも十分質の高いネタを見せていながら、今年1年でそれをさらに数段進化させて決勝の舞台で活躍することができた。もちろん、成長率そのものが審査の基準となるわけではないが、結果的に1年の間に技を磨き、一皮むけたコンビが決勝の舞台に上がることになる。 その意味で、今年最も急成長を遂げた芸人として、U字工事の名前が挙げられるだろう。彼らはもともと、昨年までのM-1でも5年連続準決勝進出を果たすなど、その実力は業界内で高く評価されていた。だが、M-1で決勝に上がるための核となるような「勝