【開発ヒストリー】 表と裏ともなめらかなトイレットペーパーがお目見えした。日本製紙クレシアが10月から売り出した「スコッティ12ロール」は、手に巻き取ろうが、くしゃくしゃとまるめようが、使い心地に満足できる商品を目指した自信作だ。開発陣は評判を勝ち取るまでに、幾重にも工夫を重ねてきた。 ■裏で拭いたら意味なし トイレットペーパーには表と裏がある。ロールに巻いたとき目に見える側が表、内側が裏だ。メーカー各社が肌触りのなめらかさを競い合うのは表の話。裏はたいがい、繊維がけば立っている。メーカーは利用者が表を使うことを想定して、商品を設計している。ところが、実態はメーカーの想定とは異なるらしい。 日本製紙クレシアの調査によると、トイレットペーパーの使い方でもっとも多いのは、「柔らかく丸める」で約3割を占めた。これでは表の肌触りが生かされない。それどころか、「裏面を外にして折りたたむ」「裏