一つの判決が、時に大きな社会的関心を呼び、議論の転機をもたらすことがあります。この「判例時評」はそうした注目すべき重要判決を取り上げ、専門家が解説をする「法律時評」の姉妹企画です。 月刊「法律時報」より掲載。 (不定期更新) 名古屋地裁岡崎支部が、平成31年3月26日に下した準強制性交事件に対する無罪判決(名古屋地岡崎支判平成31年3月26日LEX/DB25562770)は、いわゆるフラワーデモの呼び水となり、社会的なうねりを作り出す一因となった。本件は、当時19歳の被害者Aに対し、平成29年8月および9月の2度にわたり性交をしたとの公訴事実に関するものであり、幼少期からの虐待および思春期になって以降の性的虐待を背景としたものであった。 家庭内における継続的な虐待の問題は、平成29年の刑法改正による監護者性交等罪(179条)の立法事実の1つであった。そこでは、実親等の監護者からの性的虐待が
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