希求の水準があがっていくサイクルを作りたい 無印良品の広告キャンペーンを担当している、日本デザインセンター代表のグラフィックデザイナー、原研哉さん。クリエーティブに対する考え方や、最近の世相への思いなどについて話を聞いた。 --2002年から無印良品のキャンペーンに参加されています。 田中一光さんから引き継いで、アートディレクターとして参加しました。 無印良品には、最初から大きな可能性を感じていましたね。パッケージも流通のコストもそぎ落とすけれど、だからと言って何かを犠牲にしたり、我慢したりせず、魅力的になる。これはどう考えても本当にいいアイデアなんです(笑い)。そぎ落とすことで「簡素が豪華を超える」というビッグアイデアは、まさに消費の未来を先取りしていると思いました。 デザインをせず、プロセスを簡略化することで魅力をつくっていくという無印良品の考え方を、当時は「ノーデザイン」と呼