2015年6月11日、太田出版は『絶歌』を出版しました。 この本は1997年に神戸で起きた通称神戸連続児童殺傷事件の加害者である元少年Aが事件にいたる経緯、犯行後の社会復帰にいたる過程を自ら綴ったものです。 なぜ遺族の了解を取らずに出版したのか、遺族の気持ちをどう考えているのか、なぜあのような猟奇的殺人者の本を出すのかなど、出版後、多くの批判をいただいています。 本書は、決して本人の弁解の書ではありません。いわんや猟奇殺人を再現したり、忌まわしい事件への興味をかき立てることを目的にしたものではありません。 本書は、加害者本人の手で本人の内面を抉り出し、この犯罪が起きた原因について本人自身の言葉で描いたものです。 深刻な少年犯罪が繰り返される中、なぜそのようなことが起きたのかをそれぞれの事件の加害者自身が語ることはほとんどありません。一つには機会があってもそれを表現するだけの力を持つ者がいな