*本稿は、『オムニ・マネジメント』 2015年12月号(発行:一般社団法人日本経営協会)に掲載されたものを、同編集部の承諾のもと掲載しております。 現在、単身世帯が増加しており、今後も増えていくことが予想されている。増えているのは、若者の一人暮らしではない。未婚の中高年男性の一人暮らしや、配偶者と死別した高齢者の一人暮らしが急増している。 これまで結婚をして同居家族がいることを「標準」としてきた日本社会において、一人暮らしの増加は、社会に少なくない影響を与えていくであろう。ライフスタイルの選択肢が多様になっていくという面がある一方で、貧困のリスク、要介護となった場合のリスク、社会的に孤立するリスクが高まっていくと考えられる。こうしたリスクに社会としての対応が求められている。 本稿では、まず単身世帯の増加の実態とその要因をみていく。その上で、単身世帯の増加が社会に与える影響とその対策について