先日、夕飯どきにNHKの動物番組をぼさっと見ていた。 北海道に生きるキタキツネの親子の生態というやつで、天敵であるワシと戦ったり、巧みにネズミを捕ったりと見所満点。とにかくキツネの赤ちゃんというのが超かわいいの。 と、いっそギャル文字で記したくなるほど愛らしい。 だけど人里に近いところで住んでいたきつねの母親は、ある日車で轢かれて死んでしまうのである。路上でぐったりしている母ぎつね。しかし子供たちは寝ているだけだと思ってお母さんを起こそうとするのだ。おっぱいをせがんだり、どうにかして目を覚まさせようとして首のあたりを噛んだり、引っ張ったりするけれど、すでにお母さんキツネは生きてはいない。周囲にはハエも飛んでいる……。 「うおー、泣けるぜ」とごはん茶碗を持ちながら思ったし、じっさいウルっときたのだけれど、動物番組でああいうシーンってこれまで何十回と見てきたような気がする。親が死んじゃって、そ