脳性麻痺の箱石充子さんはどのように「自立生活」を手にしたのか 『充子さんの雑記帳』の若者との交わりから見えるもの 土橋喜人 宇都宮大学客員教授・スーダン障害者教育支援の会副代表理事 読者の皆様で、「自立生活運動」という言葉を聞いたことがある人はどれだけいるだろうか? あるいは重度障害者が施設ではなく、地域の中で「自立」して生活することが可能だと考える人はどれだけいるだろうか? 自立生活運動とは、「障害当事者自身によって、障害者が地域で生活をするために必要な制度や社会の意識を新しくつくりかえることです。」と1990年代から日本の自立生活運動の中心となってきた全国自立生活センター のHPには書かれている。 栃木県では初の挑戦 箱石充子さんは、脳性麻痺の障害を持つ女性である。栃木県で初めて重度障害者として自立生活を始め、自称「永遠の18歳」のまま81歳となった今でも、元気で一人で(支援を受けなが
