「何も分からないのに裁いていいのか」。8日朝、山口地裁で裁判員の選任手続きが始まり、緊張した表情の裁判員候補者が次々と裁判所に入った。寝たきりの妻を夫が殺害しようとした「介護疲れ」が背景とされる事件。身近な問題が背景にあるだけに候補者からは戸惑いの声が上がった。 山口県防府市の30代の女性会社員は有給休暇を取って来た。「何も分からない自分がやっていいのか。選ばれない方がいいと思っている」と戸惑った様子だった。 山口地検の市川幸一主任検事は「2日で(公判を)終えるは初めてと聞いているので、裁判員に十分理解してもらえるようにしなくてはならない」。沖本浩主任弁護人は「身近な問題についての裁判なので、なじみがあることとしてとらえてほしい」と語った。