ある人間(集団)が自己の意思に沿って他人(他集団)を行動させるとき,その人間(集団)が権力をもつという。実際は,権力は,他人をその意に反しても実力で強制させるさまざまな形の〈強制力〉,他人に利益を分配する〈価値賦与〉,他人の内面的な服従をかちとる〈権威〉,他人を意識させずに服従させる〈操縦〉などという多元的な側面からなる。近代国家権力はまず強制力とりわけ暴力の集中として始まったが,現代国家においては,権威による服従の獲得と大衆操作が重要な権力手段となる。 →関連項目近代政治学|権威主義|パワー・ポリティクス