欧州中央銀行(ECB)は、物価の安定という自らの目標を達成できずにいる。困ったことに政策理事会は、主に各国の方針の相違のために、効果的な対策について合意を形成できない恐れがある。これはかなり危険なことかもしれない。 功績は功績として認めよう。ECBが2012年夏に打ち出したアウトライト・マネタリー・トランザクション(OMT)プログラムは――そして、それに先だってイタリア人のマリオ・ドラギ総裁が行った、ECBは単一通貨を維持するために「必要なことは何でもやる」という発言は――市場に対する人々の信頼感を回復させた。 ECBは大砲を1発も撃つ必要のないまま勝利を収めた。OMTの発表の後、イタリアやスペインの国債利回りは、それまでよりもずっと容認できるレベルに下がっていった。 ECBの目標に遠く及ばない超低インフレ ところがそれに比べると、ECBは物価の安定には成功していない。確かに、ECBの目標