-- その対策のひとつとして「機会悪平等」を挙げていますね。低所得階層の出身者を対象に大学入試などで何らかの優遇措置を取るという方法です。逆に「上流」の人たちには所得や地位にふさわしい義務を課す。 三浦 小泉前内閣の政策は、自由競争というより“弱肉強食”の政策ですよ。「敗者」をたくさんつくってしまうのに、満足なセーフティーネットもない。このままでは、階層分化がますます進み、やがては階層の固定化につながっていくと思います。そんなことは国民の多くは望んでいないでしょう。私は「競争」はいいけれど、「戦争」はよくないと思うのです。戦争は相手を“殺してしまう”。敗者を見捨てるようなものです。これは問題です。「下流」には「見捨てられている」という感覚もあると思う。「明日がある」と信じられれば、下流とは思わないでしょう。今日も負け、明日も負け、となると立ち直れなくなりますよ。 -- ただ、そうした対策を