第112回 バブル経済を迷走へ導いた故・宮沢喜一元首相の功罪 宮沢喜一元首相の死亡記事を読んで、死因に「老衰」とあるのを見て驚いた。年齢を見ると87歳。病気で死んだのなら、この年で死んでも何の不思議もないが、何の病気にもかからず、ただ老衰で死ぬにはちょっと早すぎるような気がした。 しかし、ある時期から宮沢は急に老け込んでいたから、老衰死もあるような気がした。しかしむしろ、老衰というよりはアルコールによる多臓器不全のようなものだったのではないかという気がした。 酒豪で酒乱だった宮沢喜一 知っている人はよく知るように、宮沢は昔から酒豪として有名だった。 酒豪であると同時に、酒乱でもあった。酒乱の域に達しないうちは、人にイヤなからみ方をする時間がえんえんとつづくので、酒癖が悪い人として有名だった。 酒さえ入らなければ、頭がいい人だから、話は明晰であり、取材して気持ちがいい人だった。