友達が台所で 「取り返しのつかないことしちゃった……」 と言っていた。 「どしたん?」 「冷蔵庫の中のお茶がまだ残ってるのに、買い置きのお茶開けて飲んじゃった……」 「何やねん。大げさやな」 「大げさじゃないよ! 飲んでしまったお茶は取り返しがつかないじゃん!」 そうだね。
友達が台所で 「取り返しのつかないことしちゃった……」 と言っていた。 「どしたん?」 「冷蔵庫の中のお茶がまだ残ってるのに、買い置きのお茶開けて飲んじゃった……」 「何やねん。大げさやな」 「大げさじゃないよ! 飲んでしまったお茶は取り返しがつかないじゃん!」 そうだね。
「俺も簿記の資格取ってみようかな。俺、結構数字に強いんで。中学2年のとき、数学のテストで100点取ったことあるんじゃけえ」 「その後は?」 「その100点から先は覚えていない…」 羅将ハンかよ。
高校時代、一番怖かった先生は、体罰体育教師でも、生活指導のサド教師でも、セクハラオンパレード変態数学教師でもなく、定年を過ぎて嘱託で物理を教えてくれてたS先生だった。 総白髪でよろよろと歩き、もぞもぞと口の中でしゃべる、いかにもおじいちゃんという雰囲気の先生だった。そして、板書の途中で突然ピタッと動きが止まり、5秒ほど石像のように固まったかと思うと、また何事もなかったかのように続きを板書し始めるということが、50分の授業中に2、3回はあった。他の先生に聞くと、かなり心臓が弱っているらしい。 普段はコソコソとおしゃべりしたり、グーグーと居眠りしてるような悪ガキ同級生たちも、S先生の授業中だけは「いつ死ぬかわからん」という恐怖と「ショックを与えたらヤバい」という緊張で、張り詰めたような静けさだった。S先生が「ピタッ」と止まる度に、生徒は「ビクッ」としたものだった。誰もが「せめて俺たちの授業中に
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