東日本大震災を最も深刻に受け止めたドイツ 2011年3月11日の東日本大震災と、その後に起こった福島第一原子力発電所の事故は、全世界に大きな衝撃を与えたが、中でもそれを最も深刻に受け止めたのはドイツ国民だったようだ。ドイツ政府はこの大惨事から数日足らずで、原子力発電を段階的に廃止すると発表し、同年6月には、このエネルギー政策の大転換を議会も追認した。しかし、「3.11」の波紋は政治のレベルを超えたところまで及んでいる。それがなかなか表に出てこないのは、ドイツ人の日常的な文化の奥深くで進行しているからであろう。 しかし、ここでは「3.11」に対する直接の反応について言及するつもりはない。もちろん、震災以降、団結と寄付を呼びかけるイベントや募金活動、一時的に国外避難を希望する日本人を受け入れようとする試み、東北の被災地復興援助のため日本に行くボランティアの若者たち(私の大学の学生も含まれる)な
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