大矢勝 1957年、神戸市生まれ。大阪市立大学大学院生活科学研究科(修士)修了。泡で洗う洗濯機の開発研究で学術博士の学位を取得。短期大学講師を経て1990年より横浜国立大学助教授、2008年より同大学教授となり、2023年現在は名誉教授。洗浄技術・試験法、洗剤の環境影響・安全性、消費者情報などの分野の研究に従事し、洗浄技術や洗剤に関する多数の著書の執筆も行う。
私は自分が好きでやまないものを人に言えない。 自分の中で本当に大切に思っているものが相手に刺さらない、ましてや受け入れてもらえなかった時に、自分を裂かれたような気持ちになり、それを克服しきれないまましっかり大人になってしまった。 のちに自分の好きなものは確かに万人受けするものではないが、極限られた人のみの嗜好傾向という訳でもない事を知った。私のプレゼンが下手なだけだったのだ。それが分かったところで、自分の心を開示する恐怖はさほど和らがなかった。 高校生の頃から好きなアーティストがいる。知ったきっかけは忘れたが、HMVのサイトで30秒ほどの視聴を擦り切れるほど繰り返し、意を決して地元のタワレコに買いに行った事を思い出せる。 さんざん繰り返した視聴の先を聴いた瞬間の感動は忘れない。予想しなかった方向に転調して度肝を抜かれた。 そのアーティストが、引退からまさかの復活をすることを知った。そのCD
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