以前からほしいと思っていた。それにしても全国のお土産がインターネットの通販で簡単に買えてしまうというのは、その意義を失うことにもなりかねないのでは。というぼくの懸念をよそに、赤べこは今日も、いつもと変わらぬひょうきんさを振りまいていた。 赤べこといえば福島県は会津の郷土品であるが、学生時代に福島県出身の松谷くんという友人がおり、彼は見た目こそ赤べこに似てはいないが、やはりなかなかひょうきんなところのある愛すべき人物といえた。 彼の話す日本語にはアクセントというものがなかった。イントネーションが異常に平坦なのだ。最初はそれが福島訛りなのかと思っていたのだが、どうやらそうではなかった。なにしろカラオケで唄う歌まで平坦なのだ。 ぼくは中島みゆきの曲の多くを彼とのカラオケから知ったので、彼女の歌はどれもだいたい2つくらいのコードで出来ているんだろうと思っていた。みゆきさんには気の毒なことである。