ベルさんの準備が終わったのなら、俺も2階のプライベートルームに行って支度をしよう。 昨晩はあの部屋で寝ようと思っていたのに、ずっと透析室に居るから病人気分が染みついてしまいそうだ。 大浴場まで行ってもいいけど、ちょっと遠い。 「ちょっと、俺も顔を洗ってこようかな」 二人にさりげなく行き先を告げて、透析室を出ようと思った。 見ると、ベルさんの表情は何となく悲しそうだ。 「ベルさん……もうひとりの人格になるのって初めて?」 医療機器から人型になって間もないのだから、初めてに違いない。 けれど、何か声を掛けなくてはいけない気がして……そんな事を聞いてしまった。 ベルさんはコクンと頷く。 「これから、男の人を受け入れるかと思うとドキドキしてしまいます」 最初から彼女の中にいるのだろうけど、感覚としてはそうなのかもしれない。 何となく、俺は彼女を汚してしまうような気がして罪悪感を覚えた。 夜になって
![病気の身体で異世界に行ったら、剣さえ持てなかった。転移を後悔してももう遅い。病院を育てて俺は強くなる。 - 82話 気が付くと青ジャージに包まれていた](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/84a9d51e3f35d080766745de22029590ee71d8b5/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fsbo.syosetu.com%2Fn3171fs%2Ftwitter.png)