ドラマ『ゆるキャン△』『ゆるキャン△2』は、漫画原作のテレビドラマ化の中でも特筆すべき成功例にあたるだろう。原作がヒットし、アニメ化も成功を収める中でテレビドラマ化が発表された時には、懸念や反発の声も起きたと言われるが、現在では原作ファンからも多くの支持を集め、シーズン2も好評のうちに最終回を迎えようとしている。 実写ドラマ化が懸念された理由のひとつには、『ゆるキャン△』という原作の特殊さもあったかもしれない。現在12巻まで刊行の単行本の売り上げ累計600万部という数字は、メジャー少年誌の中堅作品が叩き出すような売り上げだ。だが、『ゆるキャン△』はLaid-Back Camp(「のんびりとしたキャンプ」という意味)という英題の通りに、大ヒットを牽引する強烈な「フック」を意図的に排除したオフビートな作品として描かれている。 エンタメ漫画の常識を覆すような構成だった第一話 象徴的なのは原作の第