尚、ここで言う「教育者」とは、親、教師、上司など、教育する立場にある人全般という意味である。 さて、前回の記事「他人に親切にして失敗するのが怖い日本人」の続きである。今回は、元サッカー日本代表監督・イビチャ・オシム氏のこの言葉について、具体的に考えてみようと思う。 日本では、長年にわたって失敗に対し罰を与えるような教育システムになっているように思える。そういう社会性が、ある意味、サッカーでは悪い方向に作用する。 「失敗して罰を受けるならば何もトライしたくない」という深層心理が消極的な姿勢につながるのである。「日本人には責任感がない」とは決して言えない。日本人のメンタリティの問題は「責任感がない」のではなく、その責任感に自分で限界を作ってしまうことではないか。自分で勝手に仕事の範疇を決めてしまい、それを達成すると、「後は自分の責任ではない」と考える。(p.93-94) http://t104