前頭連合野の中の領域ごとに異なる機能を発見 -規則の主観的価値の素早い変更など、複数の機能要素に分解- ポイント 規則の記憶の一時的保持や主観的価値の素早い変更などの機能が、異なる領域に存在 一時的に保持した規則の記憶を能動的に参照するなど、知られざる要素が存在 前頭連合野の機能障害の疾病メカニズム解明に手掛かり 要旨 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、脳の前部に位置する前頭連合野の外側部、腹側部、内側部などの領域における機能の違いを、世界で初めて明らかにしました。前頭連合野の中で、例えば主溝領域※1(外側部)は状況に最も適合した行動規則を作業記憶(ワーキングメモリー)に保持し、眼窩皮質領域※2(腹側部)は報酬経験に基づいて規則の主観的価値を素早く高め、前帯状溝領域※3(内側部)は規則の作業記憶を行為決定のために能動的に参照し、課題遂行を助けていることが分かりました。これは、脳