クリント・イーストウッド監督・主演作品『許されざる者』は、西部劇の名作であるとともに、深く観てみると難解な作品でもある。 そもそもタイトルにある「許されざる者」とは誰のことなのだろうか? 本作では、罪ある人間たちが何人も描かれている。娼婦の顔をナイフで切りつけた男と連れの若い男、人殺しや強盗に明け暮れ仲間までも容赦なく殺害していたという主人公・ウィリアム・マニー、かつての相棒ネッド・ローガン、賞金首を撃ち殺したスコフィールド・キッド、名うての賞金稼ぎイングリッシュ・ボブ、公の立場を利用して強権をふるう保安官リトルビル・ダゲット、娼館の主人・のっぽのスキニーなどである。 子供達などを除いて、この映画に登場する誰もが、何かしらの罪にまみれている。主人公・ウィリアム・マニーにしてからが、悪名高い強盗できわめつきの悪党という過去を持っている。『シェーン』の主人公のような、精錬潔白に「正しい男」など

