日本の建築界は、いまだにデジタルアレルギーから抜け出せないようだ。 さすがに最近では、CADを使うとスケール感が失われる即ちデジタルはダメといった、10年前まで主流だった暴論はほとんど耳にしなくなった。しかし、デジタルvs.アナログというあまりに単純化され、価値を生じうる解像度を雲消霧散させてしまう二項対立がまだまだ理解の主流であるということも否定できない。いわゆるデジタル系の人から、建築プロジェクトでの魔法使い枠扱いを何とか打破したい(そうしないと本質的な関与ができない)という話は日常的に聞くし、noizでもそうした「なんかデジタルすごいことできるんでしょ?」的扱いに苦い思いをすることも多い。仮にそんなデジタルとアナログなどという二項対立があるとすれば、それは個人的な経験や理解度を投影したホログラムにすぎないというのが僕の意見で、CADやBIMを使ったとたんに人の能力が五割増しになるわけ