主人とドライブをしながら、小田さんのDVDを見た。ゲストで出てきた財津和夫さんの名曲『不思議な黄色い靴』を二人でハモっていた。 休憩で入ったカフェで、「あの曲聴くと高校の文化祭思い出すんだよね。」と、主人がしみじみ話し出した。 文化祭のクラスの出し物を何にするか、話し合いが煮詰まっていた。彼は助け舟のつもりで、自分が趣味で取り組んでいた、コンピューターのプログラミングで『テトリス』っぽいゲームを作っているから展示したらどうか、と提案した。43年前だ。プログラミングなどできるのはほんの一部の“オタク”だけだったが、全員一致で、彼の案に決定した。 最初こそ数人は手伝ってくれたが、提案者の彼はB紙に説明文を書いたりで、連日徹夜で文化祭になんとか間に合わせた。 ところが彼のクラスの展示は蓋を開けたら人気度最下位。票は『魔法の黄色い靴』を歌ったバンドチームに持って行かれた。それどころか、クラスメート